●こんな時期に

 1週間ほど前からか、冷蔵庫が虫の鳴くような音を出すようになった。

 うちの家電の例に漏れず、もう20年近く使い続けているご老体だ。いつ壊れるかわからないし、壊れたからといって、この古さでは修理という選択肢はない。

 折りからの消費増税なので、その前に買おうかとちらっと思ったのだが(何しろ、計算すると増税分だけで6千円くらいになる)、いわゆる駆け込み消費みたいに踊らされるのもイヤだし、のんびり冷蔵庫を物色している暇もなかったので放置していた。

 ところが、昨日になって、いよいよ音が耳につき始めた。まるで、今日買えば間に合うと訴えているようで、仕方なく、購入する方向で考えることにした。

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 ほんとに馬鹿だと思うのだが、うちの家は一応注文住宅の一戸建てなのに、冷蔵庫を台所へ搬入することが考えられていない。

 大型の冷蔵庫はもちろんのこと、よくある横幅685mmの冷蔵庫が「ぎりぎり」入らないのだ。

 ボトルネックとなる入口の幅が、なんと686mm・・・ ありえない。

 もうたった1cm広ければ、なんとか入ると思う。何を考えてこんな寸法にしたのだろう。それでも一級建築士なのか。

 それともまさか、1mmの余裕で冷蔵庫もなんとか通れると思ったか。

 カウンターを通してキッチンを見通せる窓の部分(名前があるのだろうか)の高さも実測677mm。ここも、あと2cmも広ければ、横倒しにした冷蔵庫を通せるのに、実際にはぎりぎりアウト。

 建築士というのは、台所に冷蔵庫を搬入することを考えずに家を建てるのだろうか。まあ、「台所は685mm幅の冷蔵庫が入るように考えてくださいね」と具体的に指定しなかったわれわれも悪いのかもしれないけれど(そうか?)。

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 というわけで、幸か不幸か、選択肢がすこぶる限られ、わりとさくさくと購入すべき機種を決めることができた。

 が、そうこうしているうちに、冷蔵庫の音がやむ。まるで、まだ働けるからもう少しご奉公させてくださいとでもいうように。

 もともと、増税前に駆け込みなんてしたくなかったし、家電製品だから3%くらいすぐに価格が上下する。めんどくさいので、後日に回すことにした。

 すると、冷蔵庫も安心したのか、また今日は鳴いている。

 今から30分以内にクリックしてもいいのだが(まだ昨日と同じ価格で買えることは確認した)、やっぱりそういうのって性に合わないので、2〜3週間経ってから買おうと思う。反動による需要の急激な落ち込みで、安くなっていればいいんだけれど・・・