◆湖北のコーヒーと人生

20040605 湖北(琵琶湖の北部)へ出かけたときにしばしば寄る喫茶店がある。20年来の行きつけということになるが、場所が場所だけにせいぜい5〜6回訪れただけだ。無口で怖そうなおじさん(今やおじいさんになってきた)と奥さんがふたりでやっている。本人も言っているが、湖北でおいしいコーヒーを飲もうと思ったら、ここをおいて他にない(と思う)。「望雁」は「モーガン」と読む。全席禁煙だ。そうだったっけ? スターバックスとどちらが先だろう?

 客はわれわれだけ。今まで無口だと思っていたおじさんが、しゃべるしゃべる。こういう人だったのか・・・

 何でも、残りの人生をなんとか質素にやっていけるだけの蓄えをもとにして、40代でこの地に越してきたらしい。子育ては何もない田舎でやりたかったそうだ。元々喫茶店などやるつもりはなく、ただの自分たちの家だったという。趣味のコーヒーをおいしく飲める店が近隣になく、喫茶店を始めるに至った。常連の求めでカレーやサンドイッチを作って出すようになった・・・

 「人間、ほんっっっとに強いもんです。なかなかくたばりません。欲がなければ何とでも生きていけます。」

 確かに。生きにくさは、結局のところ、「欲」に根ざしてるのだろうか。そうは思いたくないけど。