■それって今ですか?

 ゆうべ寝ながらラジオのニュースを聞いていたら、「10億光年先で、小銀河が大銀河の引力に引かれ、両者の間に星の帯が延びているのが、すばる望遠鏡で観測された。10億年後には、両者は合体して一つの銀河になると予測されている」という話があった。

 寝ながらのラジオなので、確定的なことは言えないのだが、どう考えても、その「10億年後」というのは、今現在である。言うまでもなく、現在観測されるその銀河の様子は、10億年前のものだからだ。もっとも、「今」と言っても、ここまでスケールが大きいと、人類の持つ数百万年の歴史なんて誤差みたいなものである。

 あるいは私が誤解していて、銀河が合体するのは今よりさらに10億年後ということなのだろうか。だとすれば、観測されたその状態からは20億年後ということになる。

 あのニュースから判断すれば、おそらくはそうではなく、まさに「今」、合体しているのだと思われるのだが、それにしては、そのことへの言及がなかったなあ・・・

 「両銀河は現在既に合体しているものと考えられますが、それが観測されるのは、10億年後ということになります」とか何とか言えば、宇宙のロマンがさらに強調できたと思うのに。