■ぶつかってくるな!

 近所に立派な自「転」車専用道路がある。センターラインまであるので、快適に走れる「はず」だ。法的にもちゃんとした自転車専用道路で、滅多に見ることのない正式な交通標識もかかっている。

 ところが、ここをジョギングの(主に)中高年が走る。ウォーキングやら散歩やら通勤通学やらの人も歩いている。すぐ横はちゃんとした歩道なのにと思うのだが、歩行者はまあ、どこでも法を無視して動いているので、ここでも目をつぶることにしよう。一応、一番の交通弱者だし。

 許せないのは、右側通行をしてくる自転車だ。センターラインまであるにもかかわらず、である。しかも、あろうことか、正面から対向してきてこちらと走行ラインが一致する(すなわち、そのまま進めば衝突しそうになる)と、向こうはさらに右によけたりするのだ。

 こちらはもちろん、交通法規的にも脊髄反射的にも左によけるわけだから、余計にぶつかりそうになる。すると互いにまたそれを避けようとしてますます衝突コースに入ってしまう。

 右側通行だけでも許せないのに、ぶつかりそうになって右によけるというのはどういう頭の構造をしているのか。小学生とかいうのならともかく、とにもかくにも日本の交通事情の中で何十年も生きてきたとしか思えない連中の中にすら、そういう輩がいるのである。

 「こんなに広いのにぶつかってくるな!」といいたいのだが、一度彼(女)らに何を考えているのか聞いてみたい気もする。

 もしかして、自転車は左側通行だということを知らないのだろうか。それとも、何か私には理解できない深遠な理由があって右側に固執しており、あまつさえ、右によけたりするのだろうか。

 たぶん、クルマの免許とかを持っていないだろうことは想像がつく。だとすれば、やはりそこには交通教育の欠如があるのだろう。学校って、不必要なことはいっぱい教えてくれるのに、日常生活に不可欠なことはちっとも教えてくれないもんなあ・・・

 いやもちろん、そんなことを教える役割をきちんと与えられていないためであって、現場の教師たちを責める気はないんだけれど。