◆ナイロビの蜂
謀略によって妻を殺された駐ケニア英国一等書記官の物語。
グローバル経済や南北問題が大きなテーマにもなっているが、命をかけて事件の核心に迫っていこうとする行動が同時に妻への信頼の回復と追慕につながっていく過程は圧巻。
最後にはむしろ、妻と完全に心を通わせあった至福の境地にいたと信じたい。
原作(ジョン・ル・カレ)を読んでみたくなる映画。
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原題は、The Constant Gardener。難しいが、「誠実な園芸家」とでも訳すべきか。「園芸家」はむろん、ガーデニング好きな主人公の書記官のことである。
邦題の「ナイロビの蜂」はいただけない。原作の日本語訳も同じだが、何も知らなければ妻のレイチェル・ワイズが「蜂」なのかと思ってしまう。
だがむしろ、それならこの題名でもいいのだが、「蜂」が何を指すかがわかると、ほとんど題名として意味をなさない。
もうちょっと考えてよ。
(The Constant Gardener, 2005 GB, Germany)