●被選挙権はあるのか?
選挙報道を横目で見ていると、おもしろい事実が報道されていた。
東京選挙区から立候補して当選したテレビ朝日の元アナウンサー丸川珠代候補(36:自民)に選挙権がないというのだ。
何でも、ニューヨークから帰国してから3年間、住民登録をしていなかったそうである。
おもしろいのは、その3年間、1度も選挙に行っていないばかりか、行く気もなかったからだろう、自身に選挙権がないことにも、住民登録していないことにも気づいていなかったということだ。
気づいたのが何と、自分自身と自民党とに投票するために期日前投票をしようとした時だというのだから情けない。
選挙に行ったことがないのに参議院議員になろうとする(そしてなってしまう)というのは、かなりマヌケなような気がする。
もしかして、生涯に一度も行ったことがないのではないだろうか(成人して1回目ぐらいは行ったのかな?)。
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私の1票で何かが変わるとはとても思えない。実際、1票では変わらない。それでもなお、空しさを抱えながらほとんどの選挙で1票を投じてきた。
中には、投票しないことで意志を表している方もいらっしゃるかもしれない(村上春樹氏がそうであるようだ)。賛成はしないがそういう選択肢もありうるのは理解できる。
だが、村上春樹は、意図して選挙に行っていない。それに、間違っても自民党から参議院議員に立候補したりしない(はずだ、と書く必要すらない)。
丸川珠代は、選挙に行かない意志すら持っていなかったのではないかと疑う(というか、ほぼ確信している)。おそらく、気にもしていなかったのだ。
仮にもジャーナリズムの世界に身を投じた者が、(たぶん)世の中に政治的関心を持たず、それでいて政権与党から国政に出て、あろうことか当選してしまった・・・
住民登録していなかったとしたら(もちろん、外国人登録もしていない)、この3年間、住民税はどこへ払っていたのだろう?
仮に払っていたとしたら、住民でもない者が支払う税金を、受け取っていた役所はどう処理していたのだろう?
それに、選挙権がないのに、被選挙権はあるのか?
住所がないと生活保護を受けることすらできないのに(それは問題だが)、住所がなくても参議院議員にはなれるのか?
(まあ、一般的にはなれた方がいいとは思う。今回の立候補者の中にアルベルト・フジモリ氏がいることからもわかるとおり、少なくとも、日本に住んでいることは必要ではないようだ。)
現実に「当選した」と言っているんだから、おそらく法的要件はクリアしているのだろう。
問題は・・・
こういう(おそらくは)いいかげんなオポチュニストが政権与党の国会議員になってしまう現実である。
しかも、一応はジャーナリズムを志した(はずの)人間なのだ。
まあ、東大でてるし、可愛いし、素直に謝るし、叱られれば泣き崩れるし、いい子みたいだからいいや・・・
とは、ちょっと思えない。