★4ヶ月、3週と2日
1987年のルーマニア。当時非合法だった妊娠中絶をすることになったルームメイトを手助けする女子学生。
話はそれだけである。
それだけで、2時間近い映画になる。最も好きな映画のひとつがターミネーターだというような男を飽きさせずに。
チャウシェスク政権下だったとか何とか、政治的な話すら、表だってはまったく出てこない。
三一致の法則とまではいかないが、描かれるのもたった1日のことである。
2007年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを取ったというのもうなずける。
本当の芸術作品というのは、芸術鑑賞能力のない者にも訴えかける力を持っているのだ。
(4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE, 2007 Romania)