◆たぶん大変貌
生まれてからずっと関西に住んでいても、馴染みのある場所は限られている。
出かけるのは好きなので、有名な観光地や行楽地なら一通りは行ったことがあると思うが、何でもない街を訪れることはほとんどない。
今日は所用で尼崎に行った。短くはない生涯で、尼崎駅に行くのは初めてである。電車に乗って通ったことは何百回もあるのに、降りたことはただの一度もない。
行ったことはなくても、駅前が大変貌を遂げているのは容易にわかった。何だか、いかにも「再開発しました」みたいな駅前なのだ。最新の地図にアップデートしているはずのカーナビとも、道がぜんぜん一致しない。
JRの駅北側がだだっ広く空いていて、駅前には日本中どこにでもありそうな複合商業ビルができ、2階の渡り廊下で駅とつながっている。
見ると、「2009年10月20日グランドオープン」とか書いてある。なんだ、まだオープンしてないじゃないかと思ったが、どう見ても既に全面的にオープンしていて、それなりに賑わっている。
開店当初はともかく、どこへ行っても変わりばえのしないこんなものを今さら作って、ちゃんとやっていけるんだろうかと人ごとながら心配になってしまう。
帰ってから地図を確認すると、キリンビールの尼崎工場がなくなって、その広大な跡地が再開発の対象になっているようだ。
以前の姿を知らないので、「うわあ、こんなに変わっちゃった」と驚けないのが残念である。
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不思議でもあり当然でもあるのは、尼崎がこんなことになっているのを、今日までまったく知らなかったこと。以前にも書いたことだが、すぐ近くの尼崎駅前のことは、たとえばソマリア情勢よりも知らない。
私たちは、そんな世界に生きている。