★労働集約型産業 ——ケーキ屋考
知り合いの配偶者がパティシエをしていたので、ケーキ屋さんというのがどんなにハードな仕事かというのはいろいろ聞いていた。
まあ、聞くまでもなく、想像するだに恐ろしいというのはなんとなくわかる。
だが、それとは別に、ケーキ屋ってどうしてあんなに販売員がいるのか、そして、あんなにいるのにどうして時間がかかるのか、まだ今ひとつ理解できない。
今日チーズケーキを買った店には売り子(って差別用語じゃないですよね?)が6人いた。6人ですよ。
もう過去形になるが、完全に一人でやっていた寿司屋を知っているし、ラーメン屋なら現在形で知っている。
けっこう流行っている洋食屋すら、今でも2人でやっている。
なのに、注文を聞いて売るだけの人が6人もいるのだ。綺麗なショーケースの向こうの狭い空間に、ほとんどひしめきあっていると言っても過言ではない。
作る人は奥にたくさんいるし、作ったケーキはそのうちのだれかが運んできてくれる。
にもかかわらず、注文前の客が3〜4人しかいない店内で、辛抱強く順番を待たなければ注文すらできないのである。注文が終わってからも、支払いをするまでしばらく待たされる。
飢餓感を煽るために、わざとじらしているのだろうか?
そうでないことは、6人の働きぶりを見ていればわかる。ちゃんと観察したわけではないにせよ、とりあえずさぼっているふうではない。
まあ、ものがケーキなので、ひとつひとつ丁寧に箱に詰めたりするのにそれなりの時間がかかるのはわからないでもない。
でも、私が頼んだ丸いチーズケーキなど、箱のまま袋に入れてぽんと渡せば、注文が終わってから支払いまで、ものの5秒ですむはずだ。
いったい6人も何をしてるんだろう?
いずれにせよ、現状ではケーキ屋がものすごい労働集約型産業であることはわかる。作る方だけではなく売る方も。
だから価格があんなすごいことになっているに違いない。
しかし、店員の動きをビデオで撮影して分析し、もっと合理的な方法を考えれば、6人の売り子は少なくとも4人には減らせると思う。
それでいて、働く者のストレスや焦りを減らし、客の待ち時間を短縮することすら可能だと思うだが・・・
(トヨタの社員を連れてきたら2人にしてしまうのではないだろうか)
ケーキ屋コンサルタントか何かになって、改善案の提示とかやってみようかなあ。けっこう大きなビジネスチャンス(って大嫌いな言葉ですけど)かもしれない。