★ひょんなことから よさこい祭り

 祭りは特に好きではないし、何より人ごみが嫌いなのでほとんど行ったことがない。

 それでも、長い人生だし、一度でも行った祭りを・・・と振り返ってみても、ねぶた祭祇園祭くらいしか思いつかない。

 それぞれ、10年以上、20年以上前のことだと思う。

 ねぶたは、旅程上たまたま青森にいる日にやっているのを知ったので、「わざわざ避けなくてもいいか」くらいの感覚で行ってみた。案に相違して、そのために はるばる出かけてもいいくらいのものだったのには驚いた。

 ミシュランでいうと三つ星である。

 祇園は、仕事仲間に誘われて行った。行こうと思えば毎年でも簡単に行けるのに、その一度しか経験がない。

 暑かったこととともに、今は亡き先達の姿が目蓋に残っている。

 不思議なことに、一緒に行ったはずの方々の姿は浮かんでこない。まさか二人だったということはないと思うのだが。

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 ブログを始めてすぐ、「高知と言えば、よさこい祭り」をお書きになっていた伊与田治彦さんとネット上で知り合いになり(こんなところにお名前を記すのは憚られるのだが、ブログ自体にもお書きになっているのでお許しいただけると思う)、そうなのか、高知と言えば よさこい祭りなんだ、と認識した。

 私にとって、高知と言えば、はりまや橋坂本龍馬に桂浜、県で考えれば、四万十川室戸岬足摺岬四国カルスト、そして近年は馬路村であった。

 よさこい祭りはもちろん知っていたが、阿波踊りほどには有名でないイメージもあった。

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 今回、ひょんなことから、はじめて よさこい祭りを見る機会が得られた。しかも、かつて踊ったこともある、祭りに詳しい地元の若い女性の案内つきである。

 これほどの僥倖はなかなかあるものではない。

 初心者丸出しの質問をいろいろすることで、よさこい祭りというもののダイナミズムや ありようを少しは理解できた気がする。

 いつものように、ただの観光客として ひとりあの場にいたら、こうはいかなかっただろう。

 いったい高知にはどれくらい人がいて、そのうち何%が踊ればこれほどの規模の祭りになるのかと思ったが、県外から踊りに来ている人も多いというのには かなりびっくりした。祭りというのは地元のものだという固定観念があったからだ。

 いつからそうなっているのか知らないが、今後も盛り上がっていくであろう一つの理由かと思われた。

 県内外から、ひとグループにつき70人や80人という踊り手が、それぞれ独自の派手な衣装を はためかせて次々と踊っているのを見ながら、自分にはない「祭りと踊りのある人生」について、しばし思いをはせることになった。

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 よさこい祭りに限らず、その節はお世話になり、また、パラレルワールドのような仮想現実のような素晴らしい時間を過ごさせてくれて、ありがとう。