■キャッシュレス社会
カナディアンロッキーを旅行中、どうしても現金が必要だったのは、コインランドリーに使うコイン、1回だけだった。
旅の途中で洗濯しなければ、1ドルどころか1セントも必要なかったことになる。
実際に使ったのも、それ以外に、
・なぜか Cash Only(相当珍しいと思う)だったガソリンスタンドで20ドル(約1800円)
・ハンバーガー屋のA&Wで20ドル弱(これはカードでもよかったんだけど)
・エアポートシャトルのドライバーへのチップに5ドル
(多めだったのだろう、ほんとに心のこもった表情で God bless you. と言ってくれた。珍しく、気分的にそれぐらい出したいと思ったのだ。チップって本来はそういうものだと思う。)
だけである。
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初日、現金をまったく持たずにカルガリー空港を後にしてバンフのホテルへ向かった。
「お金がなくて大丈夫かな」とちらっと思ったが、途中で寄ったケンタッキーフライドチキンでは、もちろんカードが使えた。たった18ドルほどである。
そもそも、日本のケンタッキーってカードが使えるんだろうか? 自分で使ったことがないのはもちろん、使ってる人を見たこともないんだけど。
その後も、あらゆる支払いをカードで行った。観光地だからというのもあるかもしれないが(でも、たとえば京都ではこうはいかない)、どんなに少額でも、ちらっとでも迷惑そうにされたことは一度もない。
唯一、ジャスパーのツーリストホームだけがカード不可なのでトラベラーズチェックを使った(あらかじめわかっていたので用意して行った)。
今回はATMで現金を降ろすことすら1度もしなかった。
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最近読んだ雑誌に、「クレジットカード、歯ブラシ、そしてビデオカメラさえあればいい」「それらを車に放り込んだら、あとは出かけるだけさ」という、(たぶん)ドイツ人の台詞が載っていた。
訳も気障だし、着替えだっているだろうとか言いたくなるのだが、最初にクレジットカードが出てくるのが象徴的だと思った。
財布の中にクレジットカードが入っているのではない。クレジットカードさえあれば、財布もお金もいらないのだ。
いつものように「念のため」と唱えながら、トヨタカムリのトランクがいっぱいになるぐらいの荷物を運んでいたが、カードと地図だけ持って、かっこよく旅に出てみたいと思った。
日本では無理だと思うけど・・・
あ、免許証も忘れないようにしなければ。