●空に浮かんだことのない飛行機の免許
実に半世紀以上ぶりに開発された「国産」(部品の7割は輸入らしいが)旅客機、MRJ(Mitsubishi Regional Jet)が4年遅れの初飛行に成功した。
まずはめでたい。
だが、パイロットの名前が出ていたのでどんな人なんだろうと調べるうち、疑問が湧いてきた。
最大離陸重量が 5700kg を超える飛行機を操縦するためには、機種ごとの免許が必要である。MRJももちろん該当する。
現実に、パイロットはMRJを飛ばした。まさか無免許ではあるまい。
しかしながら、MRJが飛んだのは、今回が初めてなのである。これまでただの一度も、主脚が地面を離れたことはなかった。
ということはつまり、パイロットは一度も空に浮かんだことのない飛行機(MRJ)の免許を既に持っていた・・・ということになる。
そんなことがありうるのだろうか。
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もちろんありうるのだろう。
すべての飛行機には、初めて地面を離れる時が来る。その時にだれも免許を持っていないようでは、その機種は永久に飛ぶことができない(合法的には)。
今まで気にしたこともなかったが、少なくとも、例えばアメリカやヨーロッパやブラジルやカナダなど、日常的に飛行機を開発している国々には、そのことに備えた法律が整備されているはずだ。
日本はどうなんだろう。
飛んだことのない旅客機を飛ばすなんてそれこそ半世紀以上ぶりなのだが、きちんと法整備できているんだろうか。
シミュレータだけで免許を出すのか、特別な免許を用意するのか、仮の免許のようなものを与えるのか・・・ いずれにせよ、テストパイロットにだけ特別な許可を与える合法的な仕組みを作っているのだと思われる。
マスコミ報道なんかをいくら探しても、その辺がどうなっているのか解説したものはない(と思う)。
みんな気にならないのかな(なるほうがおかしいんでしょうね ^^;)。