●なんの予定もない雨の休日の朝
なんの予定もない雨の休日の朝、最初に目にしたのはパリで起きたテロ事件に関するニュースだった。
目が覚めたとき、寝床の中で横になったまま、ネットニュースを見ることが多いせいだ。
ネットを遮断すれば、平和な日である。朝刊にはまだひとことも出ていない。
夕方に仕事から帰ってきた家人も、何も知らなかった。
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フランスは国境を封鎖しているとのネット報道。
そこまでの大ごとなのかと思うと同時に、あの、パスポートコントロールさえなくなった無数の道に、すべて入国管理官やら警察官やら軍隊やらを配置しているのだろうかと、その様子を想像してみる。
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テレビをつけてみたが、すべての!局で通常の(多くはばかげた)放送をしている。
なんの予定もない雨の休日の夕べ、ここでは何ごとも起こらず、雨は上がり、薄暗くなって、やがて夕刊が届く・・・
後記:夕刊とは別に届いた「スマートレター」で、
知り合いが春に亡くなっていたことを知った。
情緒あふれる文章は、涙なしに読むことができない。
死ぬべきでない人が若くして死ぬ。不条理。