●カード社会と巨大財布

 財布に入れておくべきカードがあまりに増えすぎてどうしようもなくなってきた。

 カードを数えてみると、なんと27枚。

 本来はシンプルでスリムなはずの革財布がいびつに膨らんでパンパンになっている。

 「どれだけ無駄なカードをいつも持ちあるいているのか」と思われるだろうか。

 しかし、何かを減らすたびに、「あ、しまった。こないだ追いだしたんだった・・・」と後悔する。

 先日は、りそな銀行からお金を下ろせなかったり郵便局での振込に余計な手数料を取られたりした。

 念のために言うが、ポイントカードやスタンプカードの類は1枚しかない。そんなものは大嫌いだから、なるべく持たないようにしている

 たまに使わざるを得ないものは束にして別のカード入れにまとめ、必要なときにだけ持っていく。

 問題なのはクレジットカードだ。あらゆる企業が自分のところへ消費者を囲い込もうとするため、とにかくカードを作らせようとする。

 最近では、「ららぽーとEXPOCITY」のカードが増えた。持っていると駐車場が1時間無料になる。仕事帰りに寄ったりするので、いつも持っておかざるを得ない。

 車の中に置いておければいいのだが、違う車に乗ることもあり、そういうわけにもいかない。

 27枚のカード以外にも、名刺やら駐車券やらバンドエイド(先日久しぶりに役立った)やらを入れている。

 もはや財布とは呼べない。

 本当は小さくて薄いスタイリッシュ(笑)な財布が理想なのだが、叶わぬ夢である。

 2つ以上に分ければいいのだろうが、持つべきモノが増えるのは好きではないし、使う時に面倒だ。

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 というわけで、二十数枚のカード類を収納しても不格好にならない財布を物色していた。

 これがけっこう難関だった。

 必然的に、ジッパーで閉める小さいポーチみたいな財布にならざるを得ないのだが、そういうものでさえ、カードポケットは十数枚が相場である。

 それに、実際フルにカードを入れるとパンパンに膨らんで不格好になるという話がネット上にあふれていた。

 それを避けるには、コンパートメントが2つあるダブルファスナーを選べばいいのだが、これはあまりに巨大すぎて、もはや大昔の筆箱である。

 4辺のうち3辺がジッパーになっているものが多いのだが(ラウンドファスナーというらしい)、財布を開けるのに手間がかかる。

 2辺ジッパーの「L字ファスナー」という型があることを知り、使用感が良さそうなのでその線でいくことにした。

 その中でも、短辺の一方が開放されていて蛇腹のついていないものが中味を取り出しやすくていいらしい。

 ・・・というような条件で探していくと、なかなか適当なものがない。

 ポーターや土屋鞄、ノマドイ、ノイ、コルボなどが良さそうなので、ラインナップを見てみても、納得できるものがない。

 巧みなネット戦略で売り上げを伸ばしているらしいココマイスターも良さそうだったのだが、その戦略があざとすぎて、かえって信頼できないような気がしたし、条件に合うものもなかった。

 結局、思ったようなものはないのかなあ・・・と諦めつつ、ふと思い立って無印良品を見てみると、機能的にはぴったりのものが見つかって驚いた。

 実は、今使っている財布も、無印良品のヌメ革生成りだったのだが、それはなくなって、長財布はラウンドファスナーとL字ファスナーの2種だけになっている。

 やっぱりみんな、カードの収納に苦労しているのだ・・・

 しかしまさか、あれだけいろいろ探してもなかった、理想に近い形の財布が、2種類しか長財布を扱っていない無印良品にあるなんて・・・

 値段だって、半額くらい、どうかすると1/3である。

 外はヌメのシュリンク革だが、中がナイロンなのはちょっと残念だった。値段は高くなってもいいから、中も革だったらよかったのに・・・と思ったが、他に選択肢はない。

 まあ、中まで革だとさらに重くなるだろうと自分を納得させていると、店員さんが「厚みも増えてしまいます」という。

 若い女性だったが、私が買ったのと同じ財布を使っているそうだ。ほんとかな?

 ともかく、カード類もめでたく全部おさまり、パンパンではあるがいびつではなくなった。

 それにしても、やっぱりちょっと巨大すぎるよなあ・・・ 使いやすそうではあるけれど。