★微妙なイタリアン

 このブログのプロフィールにも書いてあるとおり、安くておいしいランチを常に探している。

 それがますます困難になってきた。

 もうかれこれ20年以上、私の狭い行動範囲で探し続けていると、なかなか新しい発見というのも難しい。

 外食物価も上がり、もはや1000円以内でまともなランチを求めるのも至難の業となってきた。

 また、これは元からなのだが、無料の駐車場のある場所でないと「安いランチ」にならないので、選択の範囲が狭くなる。

 そして、せっかく行きつけになっても、値段が上がったり移転したり閉店したりと、なかなかうまくいかない。

 最後に、もっとも外で食べる機会の多い水曜日を定休日にしている店が実に多い。

 そんな中、たぶんもう半年以上も前から行きたかったイタリアンに初めて行くことができた。

 なかなか行けなかったのは駐車場に不安があったからだが、案ずるより産むが易し、行ってみれば簡単に何とかなってしまった。

 これは行きつけになるかも、と期待に胸を膨らませて扉を開ける。

 その扉をはじめ、店内にもなんだか見覚えがあると思ったら、かつて行ったことのある割烹が出た後に、居抜きで入った店らしい。

 午後1時は過ぎていたが人気店(のはずだ)、かなりの混雑を予想していたのに客は2名で、「あれ?」と思った。

 こころなしか、奥様と思われる女性の愛想もよくない。

 ランチのパスタは常時20種類から選べるという話だったのだが、メニューには2種類しかない。どちらもそれほど好みではなかったので、別の単品を食べることにした。

 そうこうするうち、ぽつぽつと客も入り、13時半のラストオーダーまでに5名増えた。

 夫君と思われるシェフも無表情だ。ネットにあった、「夫婦はいい感じで愛想もいい」というような評判はなんなのだろう?

 ・・・と考えるうち、「あ、これは」と既視感がよぎった。

 夫婦喧嘩をしているのだ!

 いや、既視感はうちの夫婦のことではない。食べ物屋の夫婦が喧嘩してこんな雰囲気になっていたのを、かつて経験したのである。

 もちろん、今日のイタリアン夫婦が喧嘩しているというのは単なる憶測に過ぎないけれど。

 まあそれでもこちらは客なので、支払いの時には「ありがとうございました」と言ってくれるし、奥様にもちらっと笑顔が見えたような気はした。

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 今日の単品は1000円以下だったが、パスタランチは飲み物やデザートなしで1280円だし、今日の雰囲気や料理やその他もろもろを考慮すると、再訪はないかなあ・・・と思いながら店を出た。

 わりとまとまりのない長い髪で料理しているのにも、ちょっと違和感があった。

 店を出て店舗前の黒板を見ると、ランチのパスタは常時20種類から選べるとはっきり書いてあった。

 店内のメニューと黒板では、かなり探したが見つけられなかったのに。

 いろいろ微妙なイタリアンだったが、パスタが選べるならもう一度行ってみてもいいかなと思う。

 今度は夫婦仲良くしているところで気持ちよく食事したい ^^;