★乳児用液体ミルク解禁
本日8日、乳児用の液体ミルクが解禁された。「厚生労働省が製品の規格基準を定めた改正省令を公布、施行」(朝日新聞)したそうである。
その裏にどのような検討と手続きがあったのか定かではないが、これまで日本で製造・販売されていなかった製品が省令一本で販売できるようになるというのはおもしろい。そういうことが可能な製品がほかにどれくらいあるのだろう。
この液体ミルクが話題になりはじめたのは東日本大震災以降だと思うが、「常温で一定期間保存でき、湯で溶かして冷ます必要もない。粉ミルクより使いやすいと海外では広く売られている」(同)のだという。災害時の支援物資としても頼もしい存在だ。
今まで日本で売られていなかったのは、単なる行政の怠慢なのだろうか。
解禁されたものの、市販までには一年以上かかかる見通しだそうだ(「ええ? うちの子、それまでに卒乳しちゃうよ・・・」という方は、ぜひ二人目三人目の時に期待してください)。
解禁と同時にとはいかないまでも、なぜもっと早く売り出せるように準備できなかったんだろう。日本乳業協会が規格作りを要望したのは、もう9年も前のことらしいのに。
こんなことに10年もかかっているようでは、そりゃ世界から取り残されていくよなあ・・・と思ってしまう。モノが乳児用だけに、「念には念を入れて安全を」ということなのかもしれないけれど。
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息子にミルクを飲ませていたころ、「どうして液体ミルクがないんだろう」なんて思いつきもしなかった。
紙おむつはすでにあったが、布おむつの時代には使い捨ての紙おむつを思いつかないのと同じだ。
「必要は発明の母」というが、凡人には何が必要なのかすらわからない。iPhone がなかったときには、だれもそれが必要だとは思わなかったはずである。
粉ミルクは厄介だ。
シリコンの乳首や哺乳瓶を洗ってから煮沸消毒しておく。いったん沸騰させた70℃以上のお湯で調乳、さらにそれを40℃程度にさましてから飲ませる。
温度計を突っ込むわけにもいかないので、手首の内側に出してみて温度を判定し(「あつっ!」)、その後なめとるのがふつうだった。
そうした作業をしている間、赤ん坊が火のついたように泣き叫んでいることもあるだろう。
息子は幸い、あまり手のかからない子で助かったけれど。
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どんな製品が出てくるのかは知らないが、おそらくは煮沸した乳首をネジ蓋に直接取り付けるだけで飲ませられる製品が売り出されるに違いない。適温にするのは電子レンジで自動だ。
粉ミルクより重くてかさばるのがネックだが、まだかろうじて残っている牛乳配達の業者が宅配すればいい。業界の生き残りにもつながるだろう。
購入するにしても、紙パックで常温6か月、レトルトや缶なら9〜12か月大丈夫だそうなので、まとめ買いもたやすい。
となると、問題は価格か。
少しでも安くなって、減った育児の負担が赤ちゃんへの愛情に転化されることを願う。