●つぐない

 キーラ・ナイトレイ

 でも、肝腎の「つぐない」をしなければならない本来の?主人公の方は、3人の女優が演じている。老小説家役は仕方ないとしても、若いときの2人はなんとかがんばって同じ女優にやらせてほしかった。

 何といっても映像が美しい。タイプライターの音や音楽も効果的に使われている。少女期特有の、生硬でやや歪んだ感情は、名子役の表情や仕草や声のトーンでみごとに表現されている。

(あの子役が4年後の自分を演じるのはやはり不可能だろうか)

 「文学」を映像にしたらこういうふうになるんだろうなというお手本のような作品に思えた。

(Atonement, 2007 U.K., France)